すき家

ーー人件費嵩上げのため

深夜料金の導入見据え

 

私たちが日常的に利用する全国チェーン店・すき家が、今年の4月上旬から”深夜料金”を導入することを発表しました。

 

すき家では従業員に支払われる人件費の大半が店の維持費に消えており、残った人件費は雀の涙程度です。

さらに、すき家のレジ打ちや発注、精算、注文内容の確認など、ハードな業務をほぼ2人体制でこなさなくてはならない過酷な労働環境が、今回の”深夜料金導入”につながったのではないでしょうか。

 

深夜にすき家を利用する顧客から少し割高の利益を得ることで、少ない人件費の足しにしようという考えがあるのでしょう。

夜勤労働ではレジ締めや防犯意識の必要性など、昼よりさらに求められる業務やストレスが増えるため、従業員への報酬はもう少し高くてもいいのではないかと思いました。

 

これは全国展開されているすき家に一括導入されるそうで、どれだけすき家が追い詰められていたかがわかるでしょう。

 

実際、自分もすき家にはたまにお世話になっていますが、その都度余裕のなさそうな従業員の仕事ぶりを見て、すき家の業務スケジュール量の多さを実感します。。

 

ーー自営業者やコンビニでも

その手の悩みが…

 

すき家での2人体制による労働環境は、あまりに少人数すぎて対応が追いつかず、人的ミスや過労死を招きやすいと言えます。

労働争議を訴えても良いと言えるほどすき家の労働環境はあまりにも辛すぎます。

そしてこれはすき家に限った話ではありません。

 

例えば私たちが日常的に利用するコンビニエンスストア

あらゆる食べ物や役に立ちそうな雑貨が小売りされている、いわば「庶民の味方」装置。

多くの客が出入りするため、必然的に業務の量も増大します。

従業員は基本的にワンオペでこなすことが多く、すき家と同じように自分に対して支払われる給与は半分が差し引かれてオーナー(店主)にピンハネされ、残った少ない人権費を従業員1人1人に割り振る…といった給与形態をとっているため、業務の多さと給与の高さが全く比例していないんですね。

 

また、コンビニでは廃棄や食品ロスによる人件費も無視できない問題です。

メーカー(製造元)から商品を卸して在庫に移し、必要な分だけ揃えたいけどその日のうちに売り切れず、陳列棚に残ってしまった商品は全て処分されます。

いわゆる”在庫割れ”が発生し、収支が釣り合わなくなる。

その分、余計な損失が膨らむ。

そのため、在庫は適正な量を確保し、納めておく必要があるのです。

在庫に残った商品はいわば赤字そのもの。

そのため、消費期限の短い商品ほど在庫の数を減らし、逆に長持ちしやすい商品ほど多く仕入れる…といった対策をすれば、無駄な廃棄ロスも減らすことができるでしょう。

 

商品が長持ちしやすければ店頭に置いておける期間も長くなるため、在庫管理がグンと楽になります。

その期間中に売り切れれば赤字を出すこともありません。

在庫に商品を仕入れるときはちゃんと計画性を持って。

 

ここまですき家とコンビニなど大手チェーン店について書きましたが、あとは自分で収入への活路を開く「自営業者」も人件費をめぐる問題とは切っても切り離せない関係にあるでしょう。

 

自分の友だちが個人の弁当屋を営んでいますが、やはりコロナ禍の打撃もあってか依然として厳しい状況にあります。

コロナで客足がパッタリと減ってしまい、従業員への人件費や店の維持費、メンテナンス費だけが余計に膨らんでしまう。

設備投資にかけるお金もなく、店の内外装は汚れや不便さが目立つ。

そのため、顧客満足度やリピート率が低下し、店の収益が落ちてしまう。

これでは本末転倒です。

なら不要な従業員のクビを切り、少数体制で仕事をこなしたほうが経営の安定化、および収益化に結びつきます。

人件費もその分、抑えられる。

 

もし多くの従業員を雇って今ひとつの成果を出せていないようなら、思い切って「従業員を減らす」施策に打って出るのもまた1つの方法でしょう。

これはすき家と同じような少数体制での労働になってしまうのですが、業務が埋まりすぎて暇を持て余したような従業員が目立つようならむしろ減らしたほうが効率的です。

いわゆる従業員が多すぎて”自分が得意分野とするカテゴリーを活かしきれていない”状況は、会社でいう「業務の属人化(ブラックボックス化)」と同じような杜撰な環境といえます。

そんな従業員1人1人に同じ分の人件費を払ってしまうと一生懸命頑張った人も同じ報酬しかもらえず、フェアな配当とはいえません。

 

この場合は思い切って従業員の頭数を減らしていくほうが最優先でしょう。

 

ただすき家の場合は全くの逆で、むしろ足りない人手不足を補わなければならない状態です。

深夜料金の分を人件費に上乗せする”…というのはあくまで付け焼き刃の対策でしかなく、従業員の欠員補充や労働環境の見直しなど根本的な部分を改善していく必要があると自分は思っています。

従業員が増えればその分人件費は増えますが、多人数体制なため、作業パフォーマンスや回転率が一気に上がり、店自体の収益アップも期待できるんではないかと。。

 

そのように期待してしまってますね。