不動産投資

ーー不動産投資

リスクの高い選択肢

 

日本人は

1つのところに落ち着きたい」「転移転居を繰り返したくない」「地元で一生住みたい

などと保守的な傾向が強いです。

 

例えば不動産を購入する日本人が多いのがその証拠です。

 

実は私の祖母もいくつか物件を所有しており、そのオーナーとして管理・運営しています。

しかし長年不動産を持ち続けると同時に、建物の老朽化や住居人によるトラブルなども目につき始めるようになります。

 

不動産を売却する=その時の購入額を上回る必要がある、というのが大元の考えです。

そのために長年不動産を持ち続け、住居人から家賃などを搾取する必要があるのですからね。

 

しかしそういう人は見積書や貸借対照表等を作成する際、住居人が壁を破る、配管を詰まらせる、といったときに生じる「修繕費」や、ブロード回線や5Gなどの光回線を広げるときに必要となる「ネットワーク通信費」など、それらの経費やランニングコスト等は一切考慮していません。

 

これは数字に弱い人が陥りがちな傾向です。

 

まず原価(購入時の価格)で建物を所有し、果たしてその分を取り戻すことができるのか?という、一種の投機的要素を含んでいるんです。

 

建物は年数を重ねるごとに老朽化する…という当たり前の事実にも気付かず、不動産を購入時の価格(より上)で売却できる…という楽観的な見方が大半を占めています。

 

しかしその迂闊さが大量の不良債権となって大赤字に転じた例もあります。

 

例えばバブルが到来し、土地価格が高騰した時代。

多くの投資ファンドは不動産に投資し、土地をまるまる購入しています。

バブルがいつまでも続くであろう…という安易な考え方が悲劇を招いてしまったんですね。

 

日本で起きたバブルというのはあくまで最大瞬間風速的な経済の泡。

突然降って湧いたバブルの恩恵に多くの人々は安堵し、調子こいて危険な不動産にまで手を染めてしまう人もいた。

 

1986年、泡が弾け、景気が傾いた頃、不動産の価値は一気に下がり、さながら不良債権と化してしまいました。

借金だけ膨れ上がり、当時の人々はどれだけ泣きを見たことでしょうか。

 

そのようなわかりやすい悪しき前例があるにも関わらず、今でも不動産に手を染めてしまう人が後を絶たない。

 

不動産は固定資産なので、価値の変動が起こりにくい(=いわば流動性が低い)性質を有しています。

それは実体経済と深く結びついているため、今後不動産の投資が過熱する確率はほぼ0と言っても良いでしょう。

 

ーー実体経済が落ち込んでも

デジタル経済は上がり続ける!

 

今、1番将来性があるのはデジタル経済です。

これは新興経済の1つで、デジタル上でモノやコトの取引ができる経済はいわば流動性が高い特徴を有しています。

 

その象徴的な例を示すものが仮想通貨、いわばビットコインです。

 

ここで突然質問なのですが、みなさん、投資先は1つに絞っていますか?

それとも分散して複数に投資をしていますか?

 

これは投資における重要事項の1つです。

 

ちなみに前者に該当する方はかなり危険な投資に手を染めている人です。

投資先を1つに絞る=回収できなくなったら終わり、という事実に果たして気づいているでしょうか?

 

例えば1つの企業を投資先に定め、株の取引をしたとしましょう。

その企業がもし不祥事やスキャンダルなどが発覚し、倒産を余儀なくされたらあなたの株は全て紙切れになります。

 

そして回収できなかった分の借金や負債を全てを背負わされます。

 

1つの会社や企業に投資を集中させる…というのはものすごくリスキーな選択肢なんですね。

 

そのリスク回避として「1つではなく複数に投資先を分散させる」という手法があり、経済的な損失や資産価値の目減り等を最小限に抑える狙いがあります。

 

つまり1つのところに莫大な投資をする…のではなく、複数の投資先にお金を細かに分散させる…といった手法が賢いリスク回避法です。

 

1番ダメなのがFXですね。

あれは為替レートの値動きを先読みし、投資を打つという、いわばギャンブルに近いモノです。

もはや論外の域、そんなリスクを選択する必要はないでしょう。

 

デジタル経済は今、ものすごいペースで成長を続け、多くの投資家がそれに乗っかろうとしています。

 

不動産への投資は今やほぼ形骸化しているに等しい。

でも不動産投資のリスクを知らない人が不動産を買い続けてしまう。

 

私の祖母はこのトリックにまんまと陥っているのです。

 

不動産は年数を重ねると価値は下がっていきますが、株や証券などのデジタルは価値が下がりません。

もちろん、リーマンショックオイルショック等、世界的な不況があれば株価が下がり、投資の回収は困難になるでしょう。

 

しかしそれは稀のケースです。

その稀のケースが起こる確率を見越して不動産投資のほうに目移りしてしまうなら、それは論外です。

 

不動産への投資はそもそも斜陽産業なんです。

実体経済が上昇しない限り、不動産の投資が功を奏すことはまずないんです。

 

実体経済は今や赤字ペースで足元が揺らついている。

不動産の投資に手を染める=経済が回復する見込みがある、といっているのとほぼ同義。

そんな絵空事や空想にふけるくらいなら、普通の仕事でコツコツ稼いだほうがよっぽど生産的です。

少なくとも今不動産を持つのは現実的ではない。

 

もちろん、人それぞれの考え方があるので頭ごなしに否定はしませんが。