ーー絶滅危惧種の1匹トキ
人間による環境の開発を推し進めるため、絶滅危惧種(レッドリスト)に指定されている動物の生息区域の激減が問題になっています。
自分が絶滅危惧種を取り上げるきっかけとなったのは、今日見たサンドウィッチマンの「寝具店(しんぐてん)」というコント動画です。
そこで「トキ」という、絶滅の危機に瀕している鳥類の名前が出てきたからです。
富澤さんが羽毛のベッドを伊達さんに紹介し、「100万円」の価格を言いました。
伊達さんがその金額の高さに驚き、羽毛の種類を尋ねると富澤さんが何食わぬ顔で「トキです。」と返したため、そのあっけらかんとした返事に笑いが沸き起こりました。
自分もクスッと笑ってしまいましたが、そういえばそのトキは現在、どのくらいの個体数で推移しているのかふと疑問に思ったので、少し調べてみました。
トキは、ペリカン目トキ科トキ属にカテゴリーされる鳥類であり、絶滅危惧種(レッドリスト)に指定されている鳥です。
実は日本産のトキはすでに2003年に絶滅しており、日中が協力して中国産の外来種トキを人工的に繁殖させ、日本に放鳥した結果、個体数が回復し、絶滅は免れたと言われています。
自分もにわかに信じがたい事実でしたが、日本産の在来種トキは結構前からすでに絶滅していたんですね。
特にトキに限らず、絶滅危惧種に指定されている動物は数知れません。
森林開発によって動物たちの住処が奪われたり、人間による乱獲の影響で個体数が漸減したというケースが多く、いかに人間たちのエゴによって引き起こされた問題であるかがわかりますね。
ーークマの出没事件も
自然破壊が影響している!?
最近、やたらとメディアで取り上げられるクマの出没事件。
昔と比べ、より耳にする機会が多くなりました。
里山に降りて人間を襲ったり、農地や果樹園を荒らしたりなど、度重なる「獣害」が取り沙汰されています。
これは人間の住処に心地よさを覚えたとかではなく、自然開拓に伴うテリトリーや住処の減少が必然的にクマの襲撃に結びついているのではないかと思うのです。
人間による自然開発が原因でクマの襲撃事件が引き起こされているとすれば、クマは「種の維持に精一杯」な状態なのかもしれません。
いわば窮鼠猫を噛むところまで追い詰められているのかもしれません。
クマは人間と同じく恒温動物です。
寒い季節には冬籠りを開始し、あらゆる生体機能をストップさせて雌グマと交尾するための環境を整えます。
しかしそれが人為的な自然破壊に伴うもので不可能になると、クマは着床をストップせざるを得なくなります。
クマには「着床遅延」という受精卵の着床を自発的に遅らせることができる特殊な生殖体を持つのですが、そもそも自分たちの住処が奪われていれば着床もへったくれもありません。
トキの絶滅には人間による「自然破壊」と「乱獲」等の影響が関係していますが、クマは特に「絶滅」の危機には瀕していません。
にも関わらず、絶滅前の動物が取るであろう行動(里山に降りる、農地を荒らす等)が目立っているのです。
これは絶滅の前兆行動とまでは言いませんが、人間の勝手な自然開発や破壊が招いたクマの不自然な行動とするなら、今すぐにでも動物たちの生育を妨げるような環境破壊は慎むべきです。
ーー過剰な環境活動をやめ
保護活動に転じるべし!
トキの羽毛は高級な素材として、昔多くのコーティング用アイテムに使われていました。
しかし度重なるトキの捕獲により、いつの間にか生息個体数が激減してしまったのです。
サンドウィッチマンのコント動画があげられたのは「2018年」。
すでに日本産のトキは絶滅していますが、日中の協力でトキを繁殖させることに成功し、今は少しずつですが個体数は回復しています。
それでも依然としてレッドリスト常連に名を連ねる鳥ですから、絶滅と常に隣り合わせの状態にある、なんとも不憫な鳥です。
動物の生育環境を荒らすのは、人間で言うところの「家を荒らす」行為とほぼ同じです。
人間の勝手なエゴ活動で動物たちの住処まで奪ってはなりません。
人間に限らず、この世界で生きるあらゆる動物には1つの生命が宿っており、その尊厳や生命は誰もが等しくあるべきもの。
トキが絶滅の危機にあるということは、昔多くのトキが残酷にも殺処分されてしまったという悲惨な現実を裏付けているといえます。
決して過剰なポリコレ論を押し付けたいわけではありませんが、動物の絶滅を防ぐためには人間による環境活動(伐採や破壊、剥製、植樹等)を強く自粛させ、動物の保護と保全に全力を注ぐべきです。