ーー仮面病棟
ミステリーサスペンス映画!
2020年3月6日に公開された映画「仮面病棟」を今更ながらネトフリで見ました。
小説家・知念実希人さんが書いたものをリメイクした作品となっています。
ちなみに脚本には知念実希人さんが直接絡んでおり、内容も一部変更されています。
シリアス色が強く、夜中に見るのはお勧めできません。
一部心臓に悪いシーンも含まれています。
深夜の病院内で繰り広げられる監禁劇…という説明が1番しっくりくるでしょうか。
犯人と思わしき覆面のピエロが病院の患者や看護師らを人質に取り、その中で様々な登場人物が手を変え品を変え、ピエロ以外の真犯人を突き止める。
真犯人は誰だ?というのをテーマに視聴者に否応なく推理を働かせてくるのが本作の特徴です。
それもそのはず、真犯人はまさかの人物だということが本作の最後で明らかになるからです。
ーー仮面病棟・あらすじ
療養型病院である「田所病院」が主なストーリーの中心。
田所病院では多くの認知症患者を抱え、リハビリを行っていました。
主人公の速水秀悟(演者・坂口健太郎)は先輩である小堺司(演者・大谷亮平)の斡旋で田所病院に当直勤務でアルバイトをすることになります。
ある日、速水は外科医として働き、1日の務めを終えて家に戻りました。
そのとき看護師の東野良子(演者・江口のりこ)から電話が入り、急いで病院の1階にくるよう言われました。
速水が駆けつけると病院の近くのコンビニで強盗致傷事件が起きており、1人の女性が苦しそうにうずくまっていました。
この女性の名前は川崎瞳(演者・永野芽郁)。
覆面を被ったピエロがコンビニを襲撃し、外に居合わせた川崎に1回銃を発砲したのです。
速水は看護師の東野や佐々木香(演者・内田理央)らと合流し、病院の1階に避難しました。
しかし背後から迫る足音が聞こえ、3人がパッと振り返るとそこには覆面のピエロが銃を構えていました。
ピエロは「女(川崎)の治療をしろ。」と3人に命令し、川崎を治療室まで運ぶことになりました。
川崎は傷口を塞ぐために縫合手術を受け、なんとか一命を取り留めました。
その後、田所病院の院長である田所三郎(演者・高嶋政伸)が部屋に到着しましたが、ピエロは院長に身代金の用意をさせるとともに全員を2階〜4階に監禁しました。
ピエロは1階で4人が逃げないように見張り、消防署や警察署につながる通信やサーバー等をダウンさせ、回線を一切断絶しました。
警察にチクリを入れたら殺すと4人に脅迫し、1階に立てこもりました。
💡ここまでは4人の人質がピエロに監禁拘束されるという運びですが、この後徐々に院長や川崎などのキャラが不自然な行動を取ったり意味深な発言をしたりと、きな臭い状況に一変します。
誰が真犯人か?という推理モノに近づいてくるのです。
4人は2階で待機し、速水は警察に通報を入れるべきだと院長に促しますが、なぜか院長は警察への通報をしぶります。
回線が破られているから…という理由ですが、そう単純な話ではないようです。
さらに看護師の1人東野が川崎に「あいつだけじゃない。」と耳元でつぶやいたり、院長が「余計なことはするなよ。」と速水に警告したりなど、徐々にこの病院自体を怪しむ速水の心情が描かれるようになります。
そして速水は院長に隠れて川崎とエレベーターで4階に向かい、院長室で物色を始めます。
さらに手術室に向かうと速水は5階へと続く隠しエレベーターを発見しました。
💡この5階へと続くエレベーターは見取り図には存在しません。
ここですでに勘づいた方もいるでしょうが、速水は「病院側が何かを隠している」と結論づけたのです。
5階に着き、手術室の扉を開けるとそこには素性不明の青年がベッドで眠っていました。
青年の手術跡と肝機能の回復を目の当たりにした速水は院長が「患者に非合法の臓器提供を行っている」と断定。
院長は、認知症を患い未来のない老人から臓器を移植するといった違法行為に手を染めていたのです。
院長はすぐに5階に駆けつけ、無断で立ち入りした速水を非難しましたが、そこにピエロが現れてしまいます。
一方、田所病院の周りには多数のパトカーと警察が包囲しており、ピエロに人質を解放するよう命令しました。
しかしピエロは速水に代役のオペレーターとして仕立て上げ、警察をうまく取りなし、院長に食事の差し入れを要求しました。
院長はその際、臓器移植の記録が描かれた資料を証拠隠滅のため全て破棄しようとしますが、待ち伏せたピエロと速水に見つかってしまいます。
しかし速水は乗り気ではありません。
身代金を受け取り、目的を果たしたはずのピエロがいつまでも院長に銃口を向けているからです。
院長は何がなんでも病院のポリシー(臓器移植)を貫こうとしますが、速水はその際、ピエロに対して「小堺司さん」と発言したため、事態は一変。
💡小堺司は1番最初に登場した速水の先輩にあたる人です。
速水はピエロの正体を見抜いている…
と思いきや実はそれも違うややこしい展開に!
院長はピエロが小堺司だと知った途端に攻めに転じ、銃を奪って病院の全てを守るために速水、ピエロ、佐々木、川崎を皆殺しにしようとします。
💡もはや自暴自棄の院長。
ちなみにここまで重大なネタバレになるので書かなかったのですが、看護師の1人・東野は川崎にナイフで殺害されています。。
(あまりに急展開すぎる。。)
そして病院内にレスキュー隊と警察が突入し、速水が放ったライターの火が病院のベッドに移り、火災報知器が作動。
その場にいた4人(佐々木・速水・ピエロ・院長)は生死不明となりました。
…が、速水は致命傷には至っておらず、すぐに救急車で運ばれました。
ちなみにそこには川崎の姿がなぜかなく、その後の警察による速水への取り調べでも川崎という女性の存在は誰1人として認知していませんでした。
速水は途方に暮れ、川崎の存在を疑い始めますが、病院内で割り振られていた通し番号「川崎13」を思い出し、急いで病院へと駆けつけました。
💡「川崎13」というのは名前がわからない患者に対して振られる通し番号のこと。
奇しくも川崎瞳の名前とピッタリ符合していたため、速水は川崎を疑い始めたのです。
病院に駆けつけると赤く血に染まった速水の先輩・小堺司の遺体がベッドに横たわっており、なんと川崎が殺害していました。
ここで衝撃の真実が明らかになります。。
↓↓
川崎にはたった1人の姉(演者・朝倉あき)がいました。
父親のDVから身を張ってくれたり、交通事故に遭いそうなとき、姉が真っ先に庇ったりと、とにかく妹想いの姉でした。
そんな姉の容態が急変した時、田所病院は他の患者に当てるために姉の臓器を摘出し、そのまま帰らぬ人となってしまったのです。
それが妹・川崎の恨みを買い、今回のピエロ監禁劇の引き金となりました。
ちなみにピエロの正体は宮田勝仁(演者・笠松将)であり、川崎と結託して病院の不祥事(臓器移植)を暴こうとしていました。
そのための極秘マニュアルを入手しようと病院内を探し回っていたのです。
つまり元凶は院長ですが、この騒動の主犯は川崎と宮田の2人。
誰が犯人とも取られかねない状況に速水は置かれていたわけです。
全ては川崎とピエロによる巧妙な演技だったということですね。
病院が火災に見舞われ、他の院長やピエロ、看護師らは川崎に次々と撃たれ、死亡しています。
…が、川崎は速水にだけはとどめを刺しませんでした。
💡これは病院内での監禁劇を通していくうちに芽生えたわずかな情でしょうか。
また、速水自身も「恋人を過去に亡くしている」など川崎に通じる悲劇を持ち、それにシンパシーを感じてしまったのかもしれませんね。
また、田所病院は政財界とも繋がりがあり、国平元総理大臣(演者・小野武彦)はまさに臓器移植で命の危機を回避した人物の1人。
川崎にとっては恨みの人物であることは間違いありません。
そんな国平元総理大臣が開いた野外での演説会場で、川崎は人ごみに紛れ、国平に銃口を向けますが、ここで速報が入ります。
田所病院の責任者である速水が記者会見に応じ、街中のテレビのスクリーン画面から院長やその他看護師による病院の隠蔽体質を強く糾弾しました。
そしてその直後…
速水は川崎の動きを読んでいたかのように
「もう恨みや憎しみで動くのはやめてほしい。」
と川崎にスクリーン越しから涙ながらに訴えました。
その言葉を聞いた川崎は思いとどまり、その場を無言で立ち去りました。
半年後…
田所病院では院長として働く速水の姿があり、世界のどこかにいる川崎の幸せを願って今日も笑顔で患者と接していました。
終了。
ーーなかなか奥行きのある
ミステリー映画
少し端折ったり、細かい部分はカットしているので話の前後がわかりにくいかもしれません。
しかし永野芽郁さん演じる川崎が真の黒幕ということには驚きました。
4人がピエロに監禁されるまでは誰も川崎がピエロの共謀者だとは気づかないでしょう。
ただ川崎が途中で言っていた
「(大事な恋人を亡くした)速水さんの気持ちが痛いほどわかります。」
というのは演技ではなく素の台詞でしょう。
だから川崎は速水にだけ銃を撃たなかった。
わずかな速水への情が残っていたから。。
なかなかに奥の深い描写ですね。
まあ、それもこれも結局病院側の腐敗体質が招いた騒動だったんですけどね。
なので最終的な黒幕は「院長」1人!
こういう結論にしておきましょう(笑)
ここまで3000文字強…。
さすがにぶっ通しで疲れたので今日はここら辺で切り上げたいと思います。。
ほとんど物語一辺倒の記事になってしまったのは申し訳ないです。