ーー不適切にもほどがある!
第1話のあらすじ
主演の阿部サダヲ氏演じる小川市郎は昭和の口うるさい体育顧問。
その市郎の娘・純子(演者・河合優実)はそんな説教親父に振り回される毎日に嫌気がさしていました。
今日何時に出て何時に帰ってくるか、純子は父親のいない時に禁断のチョメチョメ(sexの遠回しな表現)を働き、男探しに余念がない奔放娘。
父親の市郎は地元の学校に勤める、昭和の熱血顧問。
生徒へのケツバットから水飲み禁止ルールなど現代でいうコンプラ破りの行為を公然と行っていました。
しかし娘の純子にはなぜか甘く、当時一世を風靡した衣装のセーラーズを娘に買ってあげるなど父親思いな一面も。
(しかしババつかまされた父親に純子はげんなりする)
💡 というか、衣装のセーラーズは渋谷にしか売ってないんですね!
当時の人たちはセーラーズ欲しさに渋谷のアパレルショップに押しかけ、人波が将棋倒しになりかけるケースもあったとか。
今ならネットショップで簡単に手に入るのに…(小声)
市郎は学校(仕事)帰りに路線バスの定期便を確認し、そのバスに乗り込むとしばらくの間眠りについてしまいました。
そしてこの後驚きの展開が…。
タイムスリ〜〜〜〜ップ!!
昭和1986年から一気に令和6年現在まで時間軸世界観ともに移動してしまい、市郎がバスの中で目覚めるとやたら丈の短いスカートを履いたJKが乗り込んできました。
さらにJKはイヤホンを取り出し耳につけると、市郎はそんなJKに「うどんついてますよ。」と的外れな指摘をしてしまい…。
JKは少し不思議がっていました。
市郎は銘柄ハイライトのタバコを取り出し、バス車内でタバコの煙を吹かしてしまう始末。
結果、バスの車内は副流煙で満たされ、乗り込んできた人たちは次第にクレーマーとして暴走することに。
市郎はバスを降り、自分の家に帰ろうとしますが、そこに広がるのは見慣れない光景でした。
いつもと違う異様な光景に驚きつつも、ハイライトを購入するため近くのコンビニに立ち寄る市郎。
しかしタバコ購入の際に年齢確認を求められ、さらに当時170円で売られていたハイライトが500円に吊り上げられていて不満タラタラの市郎。
その後近くのバーに行き、カウンター席に座っていた女性のビールを一杯せしめてしまいました。
その女性の名前は犬島渚(演者・仲里依紗)。
ワンオペ育児に悩むバリキャリウーマンの1人でした。
一杯のビールを市郎に飲み干され、渚は店内に響き渡るくらいの怒号を発しました。
ワンオペ労働の果てに一息…
そんなお供のビールを市郎が飲んでしまい、育児と仕事の両立の辛さを訴える渚。
市郎は「そんな怒ることないだろ〜。」とぶっちゃけていましたが、途中市郎は尿意を催したため、バーのトイレに駆け込みます。
するとトイレには「小泉今日子40周年」というタイトル名のポスターが貼られていました。
市郎は「40周年!? キョンキョンが?(笑)」と不思議がりますが、そのポスターの裏には過去の世界に通じる暗闇のタイムホールがありました。
市郎がタイムホールを覗くと過去の世界へと逆戻り。
行き着いた先は変わらずバーのトイレでしたが、バーのカウンター席には渚の姿がありませんでした。
市郎は今までの一連の珍百景を「夢」と解釈し、そのまま自宅に帰ることにしました。
そこで市郎を待ち受けていたのは、チョメチョメという名のセクロスに溺れる娘・純子のはしたない姿…。
その純子の相手は向坂キヨシ(演者・坂元愛登)という男でした。
純子とキヨシは路上で偶然知り合い、そのまま恋に落ちたのでした。
当然、市郎はキヨシを口汚い言葉で罵倒し、自宅から追い出しました。
そして翌日…。
市郎は自身が担当するクラスで臨時転校生が入るという情報を聞き、後ろの生徒席についていました。
その転校生の正体はズバリ!
昨日、純子と性行為をしていたキヨシだったのです。
市郎は副主任たる権限を行使し、キヨシを無理やり自身が顧問を担当する野球部に所属させ、昨日のお礼参りとして体罰も辞さない行為を行いました。
キヨシは及び腰になりつつも、純子と関係を続けたい理由から退学を拒否します。
翌日、キヨシの母親であるサカエ(演者・吉田羊)は市郎らパワハラセクハラ教師に抗議し、昭和の腐った教育体制にメスを入れました。
「怒りを通り越して逆に興味深い!!」
社会学者でもあるサカエは皮肉を交えてそう言いつつ、キヨシを連れて別の学校に転入させる決意を固めました。
市郎はもう1度未来に行くことができないか…という願望を膨らませ、未来へとつながる路線バスの時刻表を確認。
その途中、キヨシとサカエがある手違いでバスに乗りそびれてしまい、市郎1人だけがそのまま発進。
スマホをバス車内に落としてしまったサカエは必死にバスを追いますが、市郎が確認したバスの運転手はなんと人形だったのです!
💡 ここのシーンは個人的に少し恐怖を感じました。
無人でバスが運転されているのかと思うとゾッとしますよね。
また、キヨシは「地上波でおっぱいを見たいだけなの!」という衝撃の理由から令和より昭和の風潮を好んでいました。
それを理解してくれない母親のサカエに「クソババア!」と心にもない暴言を浴びせてしまいますが、その後冷静になって詫びをしつつ、純子の家にスタスタと歩いて行きました。
一方の市郎は、未来の居酒屋で上司にパワハラ被害を訴えられている秋津睦実(演者・礒村勇斗)に同情し、さらにパワハラを正当化する発言ばかり繰り返して周りを呆れさせていました。
「ミスしたらケツバット、上手くやったら胴上げよ。」
昭和のジジイさながらの発言を連呼し、秋津はすっかり惚れてしまいます。
💡 間違いなく現代ドラマにはなかった展開ですね。
昭和と令和のコンプラの違いが見て取れるシーンです。
その後市郎は喫茶店に戻り、そこには以前出会った渚がいました。
渚は過去の市郎の無礼を許しており、今は前職を去ってスナック営業傍ら育児に専念していると打ち明けます。
その後秋津もやってきて3人楽しく語らうことができたのでした。
しかしその語らいも束の間、市郎が過去に戻ろうとトイレに行ったところ、内装がリフォームされていてタイムホールも無くなっていました。
さらにその直後、キヨシの母親・サカエから市郎のもとに着信が入り、途切れ途切れの声で何かを訴えていました。
Wi-Fiが届きにくい場所だったため、市郎と秋津・渚の3人はよく聞き取れませんでした。
そして次回に続く!
ーーコンプラもクソもない
昭和親父の破天荒ぶりを描いたヒューマンドラマ!
このドラマは現在進行形で今まさに放送中の作品です。
昭和のコンプラ破りの親父が令和に通ずる常識や既成概念、ルールに物申すという、思い切った作品です。
これは今までにないコンセプトのドラマで、令和の価値観に縛られているZ世代には特に響く作品でしょう。
コンプライアンス(=コンプラ)は現代語訳すると「法令遵守」という意味合いになり、その人が守るべきルールや価値観のことをいいます。
しかしコンプラの存在は「ああしたいけどコンプラに触れちゃうかも…」という、ある種の煩わしさを伴うモノ。
昭和ではよほど一線を超えない限り、法の許す限り、自分のしたいことが思うままでした。
しかしながら、現代では明らかに締め付けが厳しい。
犯罪ではないのに「これもダメなの!?」というモノがあまりにも多い。
そんな”コンプラ”という殻を打ちやぶり、現代社会の息苦しさに物申していく昭和ジジイ。
そんなジジイの姿勢や意見に共鳴された若者が主な視聴者層ではないか、と。